済州島のクッ:金秀男写真展 「霊を招き、霊と交わる」

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20091016-1.jpg四谷三丁目に半年ほど前にオープンした韓国文化院で金秀男写真展 「霊を招き、霊と交わる」。〜10月30日。
出身地の済州島の「シャーマンによってとりおこなわれる韓国の伝統的なクッ(祭り)」を撮り、他にも沖縄やタイ、インドなどのも撮り歩いた3年前に亡くなった写真家(展示は済州島の作品のみ)。初日だった金曜日にオープニングイベントとして済州島から シンバン(シャーマン)を招いて、クッの実演もありということで興味津々。

まずは写真展。モノクロの写真、神が降りているシンバンや、生命力のすごい強い、中身の詰まった感じの人々の顔、どーんと据えられた豚や牛が迫力。印象に残ったのは、海で亡くなった人の服を着せた藁人形を背負って波のなかに入っていって、霊を招いている様子(ちらしに使ってある上側の写真)。島の生活の厳しさは、『アラン島』(映画とシングの紀行文とかで知るだけですが)にも通じるものありかなと。

儀式は2階のホールで(出来たての立派な設備で、イタリア文化会館にも負けてません)。親交のあった日本の学者さん(?)からどういう人だったのか、何を撮ろうとしていたのかの紹介。そして、韓国の大学の先生で一緒に取材していた方からクッについての紹介(儀式の途中でも、随時解説有り)。
クッは、二つを実演。女性3人、男性2人のシンパンによって、新築の家を清めて強くいつまでも持つようにする儀式が最初30分ほど。そして、2時間ほど、霊を招いて慰めて、天国に送る儀式。これは3年前に亡くなった金秀男氏を送る儀式として。もちろん簡易版のステージでの上演としてのものなので、神が憑いたりすることはなかったけれど、時々かなり迫力。メインのシンバンさん(女性)の声がいいんだ。

「ハイカルチャーとローカルチャー」と区別すれば、この間見た東大寺お水取りの声明がハイ。今回は、非常に生活感溢れた、土俗的な生き生きした儀式で、お互いになんだかんだやり取りしながら、天国への道をあらわすアーチを付けた発泡スチロールを黒ビニールテープで床にぺしぺしくっつけたり、飴を掴み出して撒くビニール袋が、隣の丸正スーパーのだったり(飴も、のど飴やイチゴミルク・・・)と、ほんとにいつものように隣の村にやりに来ました、とぜんぜんかっこ付けていないところがおもしろかった。これを背中に付けるとあの世からの死者になります、というものには漱石さんが3枚並んでるし!
でも、神様を降ろして、場を清めて結界を強めて、お祈りして、何事かお願いしたりして、満足してお帰りいただく・・・っていう基本は、声明でもクッでも共通。

最後は、参加者みんな(この日は、舞台上に上がった有志10数人とシンバンの皆さんで)で乱舞。沖縄のカチャーシー(モーヤー)や、タイのお祭りも最後はみんなで乱舞になったりするよな〜っと思い出して、アジアの「血は異ならず」(関係なく、このタイトルは好きなSFから:amazon)だなあ。

す ごいおもしろかったけど、思いがけず長丁場の全3時間強のイベントだったので(それでも3日かかる儀式を2時間に短縮!)、お腹ぺこぺこ。途中で撒かれた飴と、配ってくれたお餅でどうにか生き延びた。本当のクッは、「食べることも含む」儀式で、参加者はお腹いっぱいになると紹介あり、写真には豚の丸焼きとか写ってた♪ もう終わったときは気分は「マッコリ〜ったらマッコリ〜っ!」、久しぶりに大久保に行って韓国のおばちゃんまみれになりたかったけれど、お腹のすき方が緊急事態だったので、斜め前の妻家房に飛び込んで、チヂミ、ポサム、キムチ盛り合わせ&マッコリで蘇生。

↓動画捜したんだけど、これぐらいしか発見できませんでした(長い!)。
 飾り付けとか音楽の感じとかは共通、
 これはかなり外向きのお金掛かった高級そうな儀式かと・・・




20091019_154.jpg↑妻家房で食べたポサムの簡易版を家でお試し。次はもっと脂身の少ない肉でやります!

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このページは、かえるが2009年10月19日 21:45に書いたブログ記事です。

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