2月文楽 第1・2部 「槍の権三」と「襤褸錦」

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バレンタインデーには、朝昼続けて文楽。

第1部は、近松の「槍の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)」
「・・・の露こぼるゝばかり好い男、鑓の権三は伊達者の、どうでも権三は好い男。油壺から出すやうな、しんとろとろりと見とれる男」というぐらいいい男な主人公。しかし、やっぱり大阪の人は「こってり」好き!?、なんと垂れちゃうのは水じゃなくて油ですか。そういえばちょっと油っぽい髪型の人いるものねえ、人形にも床にも・・・上方文化は濃いなあ。

しかし権三の性格設定は、あまりにおばか。体育系、脳みそ筋肉男かしら? 恋人を裏切って出世のために婿入りの約束もおばかだけど、その相手の家に恋人のつくった比翼の紋の帯をしめていくって、あほかいな〜。いくら油がたれても、そんなのに惚れた恋人も、婿にと望んだ「おさゐ」もどっちも馬鹿だね〜という話だったのでした。といって、まあ、実際に不義密通したわけではないので、殺されるほどの罪ではないが。

最後の女敵討ち、舞台を横切る大きな橋の上で人々が盆踊り(?)を踊る、お祭りの華やかでちょっと寂しい夜。その手前河原での哀れな殺人と見応え有り。「夏祭り」の泥場の殺しとその後の踊る群衆もよいけれど、これもすてき。歌舞伎の演出だとどうなるのかな?

※みっちり茂った生け垣を通り抜ける方法。底を抜いた四斗樽をぐっと押し込んで抜け穴にして、その中を、という余計な知識が付きました。

第2部は、「敵討襤褸錦(かたきうちつづれのにしき)」
簔助さんの遣った助太郎がお見事。もちろん床の嶋大夫さん、住大夫さん、よろしおました♪
嶋大夫さんは、熱く迫力の語り!、住大夫さんのは「さらさら語って情がある」という形容でいいのかしら? 売店にあった住大夫さんのサイン入り『なほにほほなほ』思わずゲット。まあ、どうせ買うつもりだったから・・・。

一部二部とも、家が天井につり上がっていって消えたり、場面転換がけっこうおもしろかった。まだまだ見たことのない舞台のいろんな仕掛けやり方がありそう。歌舞伎より小さくて軽いからかえって大胆なことができるのかも。

いまちょっと欲しいもの・・・なんと、弁慶! ええと思ったよりは・・・お高くないのね^^;) 高さ66センチはちょっと小柄なようにも思えるけれど、なにか用途が違うのであろうか。すごいお金持ちだったらこういうのを買って、贔屓の人形遣いさんに遣わせたりするんだろうか? 勘十郎さんに勧進帳お願いしますとか♪

それにしても敵討ちの話は多いこと。江戸時代を通して実際にあった敵討ちって何件ぐらい?  実際には、珍しいかったからこそお芝居になったんだと思うけど。

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このページは、かえるが2009年2月27日 17:43に書いたブログ記事です。

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