文楽「近頃河原の達引」「本朝二廿四孝」豊松清十郎襲名披露公演

| コメント(0)
20080920-2.jpg
講談のたった一人の人間国宝を聞いた次の日は、久しぶりの文楽(まず昼の部)で、もう人間国宝だらけ! いったい何人の人間国宝を拝見&拝聴したのやら。

近頃河原の達引(四条河原の段 | 堀川猿廻しの段)

なんといっても後半は、住大夫、綱大夫のゴージャスリレーに人形が簔助さんの細かい情緒あふれる演技でうっとり。
猿回しの猿2匹がすごいかわいくて上手(誰が遣っていたのかはわからない)・・・この場面けっこう長いのね・・・に気を取られて楽しく笑っちゃうわけだけど、実は心中を覚悟した、おしゅんと伝兵衛の二人がじっと控えている、と、確かに簔助さんの遣う「おしゅん」の人形を見ると、つらくてつらくて悲しみに耐えているとしっかり分かるのだ。うーん、すごい!

吉田清之助改め五世豊松清十郎襲名披露口上   

襲名披露狂言 本朝廿四孝 (十種香の段 | 奥庭狐火の段)
勘十郎さんが、前半は謙信の役で、立派な重要な役とはいえ出番はとても少なく、え〜ん、たったこれだけですか?と他に名前もなくがっかりしていたら、後半はなんと今日の主役である清十郎さんを助けて、左を出遣い(顔を出して)で、足もたぶん一門の人こちらも出遣い。いやあ、狐いっぱい従えて、すごい迫力の動きの舞台。(まあ、3人出遣いだと、お人形のお姫様の小さな顔の周りに、おじさんの顔が3人、ともいえるが)

しかし、八重垣姫は、きれいな言い方をすれば一途な恋する御姫さまだけれど・・・。絵姿でしか見たことのない死んだ婚約者にぞっこん、似た男が出てきたら取り持てと腰元に言いつけて迫りまくり、あっという間にお父さんを裏切ってお宝を盗み出し、狐憑きになって凍った湖を渡って男の元へ駆けていく、というのは、まあ、ツングース系の思い込みの激しいヒステリータイプ。狐に憑かれるのも無理はないシャーマン型とでも、実際こんなお嬢さんがいたら、そうとう迷惑でうっとうしいぞ〜。

------------------- 以下、本筋に関係のない感想 -------------------

※文楽の襲名口上ははじめて見たけれど、歌舞伎のが「なんとかのおじさんにはかわいがっていただき」「なんとかのお兄さんにはいつもいつも・・・」とか、じゃらじゃらベトベトした内輪な感じがするのに比べると、とってもすっきりしてて感じよかった。本人が大変努力をして、誰もがこの襲名を認めました、これからも一層の精進しますのでお客様方にもどうぞよろしくお願い申し上げます、という本筋のみ。

※前から5列目ぐらいの真ん中で、熟睡していたおばさま。珍しい真上向きかつ顔振り振り寝。同じ寝てるのでも、俯いていれば、感激して浄瑠璃に浸りきっているように見えなくもない・・・けど、上向いているとねえ、あれじゃ、大夫さんたちからも丸見えで、うんざりしないかドキドキしちゃった。まあ、それぐらいじゃめげませんね、プロは。

※はじめて2階の食堂でご飯食べてみたけど、まあ、次回よりまた途中で買っていく方針に。

※今月、歌舞伎座では、玉三郎さんで「本朝二廿四考」どんな風に違うのか楽しみ

コメントする



↑少しよく撮れた写真は、こちらに投稿してますのでヨロシク♪

このブログ記事について

このページは、かえるが2008年10月18日 10:31に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「秋の信号 赤黄緑」です。

次のブログ記事は「文楽「奥州安達ヶ原」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。