9月歌舞伎座 秀山祭(夜の部)

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近江源氏先陣館  盛綱陣屋
吉右衛門、玉三郎、福助 、宜生、左團次、芝翫

この芝居の筋は、敵味方に分かれている兄弟の武将。兄が弟の子が初陣に出たところを捕虜にして----この子どもが元服ぐらいの若者かと思えば、出てくればいきなりこりゃあ幼稚園児!----兄の仕える武将はこの子どもを餌に弟武将の取り込み希望、兄は弟がその計略にかかってほしくない、武士らしく思いっきり潔く戦ってくれと。結論は、甥=幼児に自害させる、その説得役が、なんと兄弟の母=幼児の祖母、おやおや〜。しかも、実はその子どもが捕まったのは弟武将の計略の内で、偽首を見てを「父様死んだ」と泣いて自害することで、父の計略を実現するのが使命にして、それを実行・・・ますます、むちゃくちゃでしょう!

下手な芝居でやられるとと、もちろん、現代人にはどう考えても飲み込みがたいわけで・・・ちょろっとググっても、なんだこりゃという拒否反応が多いのが。なんと、恐ろしや、演技の力で「少なくともこの世界=芝居にあっては、こうするしかないだろう、無理もない、分かる」と思ってしまうという・・・うーん。吉右衛門さん、やっぱりすごいかも。しかも、芝居を分析的に見ようという、泣ける泣けない(あるいは泣きたい)じゃ見ないぞ、という悪い癖のついているわたしでさえ、鼻奥、微妙につんときたのは、やっぱり幼児が健気に健気を演じるのには勝てないね。
左団次さんの黒で襟や袖にスーバーオレンジの衣装が、ハロウィーンだった。
・玉三郎、芝翫、福助の武家の女たちの嘆きのつらい世界という側面もなかなかよかった。


干支に因みし戯れ絵の趣親子鷹 鳥羽絵
富十郎 、鷹之資

おどけた舞踊。
こういうのの良し悪し、楽しさも、まだよく分かりません。父息子の場合でも「ご両人」って声かけるのね。


天衣紛上野初花 河内山 上州屋質見世の場より松江邸玄関先の場まで

吉右衛門 、染五郎 、芝雀、錦之助、左團次

吉右衛門さんの粋でかっこいいすごみのある河内山宗俊というのは、まずは文句なくいい味出てました。前回は、仁左衛門さんで見たんだけれど、どっちもええねえ。
しかし、今回は、染五郎の若旦那が腰元にほれちゃって無理に側室にしようとする殿様役(その腰元を取り返しに河内山が乗り込むという芝居)。ところがこれが、あんまり白塗りのいい男に徹しちゃっているので・・・、18万石でしょ、すごいいい男でしょ、惚れて呉れちゃっている訳でしょ、ちょっと癇性なのが欠点ぐらいで、別に襲いかかってなんかした訳ではなし、親に正式に側室にしたいと申し込んでいるのは、この時代では(町人の娘を正室というのはありえないのだからして)すごい丁寧、かつ玉の輿の大出世じゃ〜ん、言うこと聞いちゃえばいいのに、八方丸く収まるのに。落語の「妾馬」に倣えば「お世取りひねり出し」て、○○の方と呼ばれるようになったほうがええぞ〜(笑)、殿様の癇性は年とりゃ直るかもよ、とおばちゃんは思ってしまったのであった。

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書いても書いても、周回遅れから抜け出せない感じの芸能鑑賞記録・・・10月は歌舞伎強化月間なので、すでにこの後に5回、今週末にもう一回、歌舞伎だけでもたまっておーる。忘れないうちに、感動しているうちに、さっさと「平成仲村座」の「仮名手本忠臣蔵」(4回通いました!)も書きたいわけですが、でも抜かすと一生抜かしちゃうからな〜、道遠し!/

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このページは、かえるが2008年10月21日 20:35に書いたブログ記事です。

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