8月納涼歌舞伎 第一部

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一、女暫
福助:巴御前
三津五郎:手塚太郎
勘太郎:震斎
彌十郎:蒲冠者範頼
勘三郎:舞台番
まあ、「暫」自体が筋はあ〜らあらな、華やかさを楽しむ様式美のお芝居で、そのまたパロディですので、深く考えないで、各人がどんな味を見せるかお楽しみというところか。
三津五郎さんの太郎、若者役が、本当に舞台の誰より若者に見えたのが芸の力かお見事。福助さんは、声がもうちょっと深みがあると、ぐっとかっこいいんじゃないかなあ、どうもペケペケした声になってしまうのがいまいちか、かわいかったけど。

二、三人連獅子
橋之助:親獅子
国生(橋之助の息子):子獅子
扇雀:母獅子
あらら、もしかして毛振りは、扇雀の方が橋之助より上手かも!?  それとも橋之助さん、お子さんが気にかかり。なんか気にかけて見守っている様子がわかる、温情ある千尋の谷突き落としであったような。国生君は、おっとり上品ですね〜、このままのびのびね。

三、眠駱駝物語 らくだ
勘三郎:久六(屑屋)
亀蔵:らくだ
三津五郎:半次
市蔵:家主
彌十郎:家主女房

8月はまず、これが見たかったの。落語の「らくだ」、あの「死人にかんかんのう」を踊らせる噺の前半を、岡鬼太郎(岡鹿之助:雪の発電所のお父さん)が歌舞伎に直したもの。
亀蔵さんがおもしろいぞ、とファンになったときにいろいろ検索すると「らくだの死体役が絶品」というのをあちこちで見かけ、そりゃあ、さぞやおもしろかろう思って「待ってましたっ! 松島屋っ!」

と、プログラムを見ましたら、なんと10年振りとかの公演。死体を担ぎ廻る勘三郎さんも10年年取っていれば、亀蔵さんの体重も10キロ増えているとやら(笑)。さすがにこれは亀蔵さんの当たり芸、飄逸、お見事な死人の踊り、これから落語を聞くときにも踊りのところはこの映像だな。

ごつい彌十郎さん(歌舞伎役者で一番背が高い?)が大家のお上さんというのもおかしく、驚いてもんどり打って、屑屋=勘三郎さんの上に墜落するところ、ほんとに重痛そうだった。

ストーリー的には、らくだの兄貴分である判次をきれいごとの面倒見のいい奴にしちゃっているのが、ちょっと残念。ワルのらくだに輪をかけた悪い奴という方がおもしろいし、基本的にいい人は死人にかんかんのう、踊らせないじゃろ、と。その「いい人である」という話にするために、ちょいとだけ妹が出てくるのも話が煩雑。うん、落語はとってもよく出来ている、と改めて。

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このページは、かえるが2008年9月25日 16:03に書いたブログ記事です。

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